
その裏には、脳の「報酬系」が働くおもしろい仕組みがあります。
甘い香りで痛みがやわらぐ?脳のしくみから見るリラックス効果
バニラやお菓子のような甘い香りを嗅いだとき、ふっと肩の力が抜けるような感覚になったことはありませんか?
じつは「いい匂い=安心できる状況」と脳が判断することで、自律神経が落ち着き、痛みの感じ方も変わることが分かっています。
香りはまっすぐ脳に届く特別な刺激
五感の中で、匂いだけは大脳辺縁系(感情や記憶をつかさどる場所)にダイレクトに届くと言われています。 そのため、甘い香りを嗅ぐと
- 安心感・幸福感が高まりやすい
- 交感神経(緊張モード)が落ち着き、副交感神経(リラックス)が優位になる
といった変化が起こり、結果として痛みやストレスを「強く感じにくくなる」状態が作られます。
「報酬系」が働くと痛みの感じ方が変わる
甘い香りや心地よい感覚は、脳内の報酬系(ほうしゅうけい)と呼ばれる仕組みを刺激します。 ここが働くと、ドーパミンなどの物質が分泌され、「うれしい」「安心」といった感情が高まり、痛みに対して少し鈍くなることが知られています。
自律神経のバランスが乱れているときは、ちょっとした刺激でも痛みを強く感じやすくなります。 甘い香りは、そのバランスをやわらかく整える一つのきっかけになってくれます。
頭痛のときは「強すぎない香り」を
ただし、頭痛持ちの方は、香りが強すぎると逆に気分が悪くなる場合もあります。 とくに片頭痛タイプの方は、匂い刺激に敏感なことが多いので、ほんのり香る程度がおすすめです。
- バニラや柑橘系など、やわらかい香り
- 香水ではなく、ディフューザーやアロマストーンなどでほんのり香らせる
- 「いい匂いだな」と感じる範囲にとどめる
香りはあくまでサポート役。 頭痛そのものがつらいときは、片頭痛や緊張型頭痛など、自分のタイプに合ったケアも大切です。
整体と香りは相性が良い組み合わせ
全身をやさしく整える整体と、ほのかな香りのリラックス効果はとても相性が良い組み合わせです。 体のこわばりと心の緊張が同時にほどけていくと、痛みの感じ方も少しずつ変わっていきます。
ご自宅でも、
- 寝る前に好みの香りを少しだけ焚く
- お気に入りのアロマオイルをティッシュに1滴だけ垂らして枕元へ
といった簡単な方法から試してみてくださいね。
よくある質問
Q. 香りだけで頭痛は治りますか?
A. 香りはあくまで「痛みの感じ方をやわらげるサポート役」です。強い頭痛が続く場合は、体のゆがみや生活リズム、自律神経の状態など、土台から見直す必要があります。心地よい香りを楽しみながら、体そのもののケアも一緒にしていくのがおすすめです。
