肩こりと頭痛が同時に出る理由:筋膜と神経の連動メカニズム
肩がパンパンに張っている日に、頭痛も一緒に出ることはありませんか?肩を揉んでも、すぐにまた痛くなる。そんな日は、肩だけでなく首・胸郭・呼吸まで固まり、体全体が緊張し続ける「連動パターン」に陥っている可能性があります。
肩こりと頭痛の「連動」が起きるメカニズム
肩こりと頭痛が同時に出るのは、単なる偶然ではありません。以下の3つのメカニズムが関わっています:
肩甲骨周りの筋肉(僧帽筋上部、肩甲挙筋)は、首の筋肉(頭板状筋、後頭下筋群)と筋膜でつながっています。肩が緊張すると、この連鎖により首の筋肉も引っ張られ、頭痛の原因となります。
肩の筋肉を支配する神経(C3〜C5)と、頭部の感覚を伝える神経(大後頭神経など)は同じ脊髄レベルで情報処理されます。そのため、肩の痛みが頭部に「関連痛」として現れることがあります。
肩が上がり胸郭が閉じると、呼吸が浅くなり、交感神経が優位になります。この状態では筋肉の緊張が持続しやすく、肩こりと頭痛の悪循環が生まれます。
肩だけ揉んでもすぐ戻る理由
肩こりの根本原因が、以下のような「体全体の使い方」にある場合、肩だけをマッサージしても一時的な効果にとどまります:
- 首の過緊張:肩が上がると首が固まり、頭を支える負担が増える
- 胸郭の可動性低下:胸が閉じると呼吸が浅くなり、肩の力みが抜けにくい
- 呼吸の浅さ:交感神経優位の状態が続き、筋肉が常に緊張状態になる
- 姿勢の固定:同じ姿勢での長時間作業により、筋肉が特定のパターンで固まる
このため、効果的なケアには肩・首・胸郭・呼吸を一体として整えるアプローチが必要です。
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こんな症状があれば「連動型」の肩こり頭痛の可能性
- 肩こりと頭痛が同時に、またはセットで出ることが多い
- 肩を揉んでもらっても、翌日にはまた張っている
- デスクワークや家事の後に、肩と頭が同時に重くなる
- 呼吸が浅い、または無意識に息を止めていることが多い
- 肩が常に上がっている、または猫背になりやすい
肩こり頭痛の連動をほどく3ステップ
肩甲帯・胸郭・呼吸を一緒に整えることで、戻りにくい体に。
肩をゆっくり回して筋肉の緊張パターンをリセット
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【方法】
立位または座位で、肩を前回し・後ろ回し各5〜10回行います。痛みが出ない範囲で、できるだけゆっくりと動かします。
【ポイント】
肩甲骨を意識して動かすことで、僧帽筋や肩甲挙筋の緊張をほどきます。大きく回すことより、筋肉を「ゆるめる」意識が重要です。呼吸を止めずに、自然に息を吐きながら行いましょう。
鎖骨下を流して胸郭の可動性を回復させる
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【方法】
指の腹を使って、鎖骨の下(小胸筋のある部分)を内側から外側へやさしく流します。左右それぞれ10回繰り返します。
【ポイント】
小胸筋が硬くなると胸郭が閉じて呼吸が浅くなり、肩こりと頭痛の連動が強まります。この部分をほぐすことで胸が開き、深い呼吸がしやすくなります。強く押しすぎず、やさしく流すイメージで行いましょう。
吐く息を長くして副交感神経を優位にする

【方法】
鼻から4秒かけて息を吸い、口をすぼめて6〜8秒かけて細く長く吐きます。この呼吸を6回繰り返します。
【ポイント】
吐く息を長くすることで副交感神経が優位になり、筋肉の緊張が自然とゆるみます。肩こりと頭痛の連動が起きているときは、交感神経が高まっているため、呼吸で自律神経のバランスを整えることが効果的です。
デスクワークや家事の合間、1〜2時間ごとに1セット(合計2〜3分)行うのが理想的です。特に、肩が張ってきたと感じたとき、または頭が重くなり始めたときに実践すると効果的です。
当院での施術アプローチ
当院では、肩こりと頭痛が連動している方に対して、肩甲帯の可動性、首の付け根の緊張、胸郭の柔軟性を総合的に評価します。
施術では、筋膜リリース、関節モビライゼーション、呼吸エクササイズを組み合わせ、「呼吸が深くできる体」「頭痛が出にくい体」へと導きます。肩と頭痛がセットで出やすい方ほど、全体の連動をほどく設計が重要です。
関連ページ:
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肩こりと頭痛がセットで出る方は、肩だけでなく「全体の連動」を整えることが改善の鍵です。まずは今日ご紹介した3ステップを、仕事や家事の合間に試してみてください。