
意外と知られていない“正しい選び方”があります。
温シップと冷感シップ、実は「効果の違い」ではなく「体感の違い」
ドラッグストアで並んでいる温シップ・冷感シップ。 「痛みのときは冷やす?肩こりは温める?」と迷う方がとても多いです。
ところが、まず一つ知っておきたい真実があります。
市販の温シップ・冷感シップは“治療効果”ではなく“体感の違い”であり、温める・冷やす作用はほとんどありません。
さらに驚く方が多いのですが、
病院で処方される医療用湿布には「温感」「冷感」は存在しません。
ここを丁寧に解説していきますね。
なぜ市販の温冷シップは「体感」で、医療用は温冷が無いのか?
まず、市販の温冷はこういう仕組みで作られています。
- 冷感シップ:メントールの刺激で“スースー冷たいと感じる”
- 温感シップ:カプサイシン等の刺激で“ポカポカ温かいと感じる”
つまり、温冷は皮膚の「温冷受容体」を刺激しているだけであり、 筋肉の深部を本当に温めたり冷やしたりしているわけではありません。
メーカー自身も「体感としての温冷です」と説明しているので、これは正式な情報です。
医療用湿布に温冷が無い理由
医療用湿布(ロキソニンテープ・モーラステープ等)は目的がまったく違います。
- 炎症を抑える成分(NSAIDs)を皮膚から吸収させることが目的
- 温める・冷やすの刺激は治療の本質ではない
- カプサイシン等は皮膚刺激が強く、医療現場では避けられる
つまり、医療用湿布の世界には「温感」「冷感」という概念がありません。 治すのは “温冷の刺激” ではなく “薬剤による抗炎症作用”。
ここを理解しておくと、市販の温冷の捉え方がガラッと変わります。
では、肩こり・頭痛・炎症など症状別ではどう選ぶ?
温冷が「体感」だとしても、選び方は症状によって変わります。 ただし、温冷ではなく「温めるべきか」「冷やすべきか」という方向性の話」として見てください。
● 炎症(赤い・腫れてる・熱い・捻挫・ぎっくり系)
→ 冷やすのが適切 市販の冷感シップでも「冷えているわけではない」ので、実際に冷やすなら保冷剤や氷のうのほうが確実です。
● 慢性的な肩こり・重だるさ
→ じんわり温めるほうが楽になりやすい 温感シップは皮膚だけポカポカですが、心理的にはリラックス効果があります。
● 緊張型頭痛(肩こりとセット)
→ 温めると筋肉がゆるみやすい 後頭部・首すじの筋緊張が強い人は“あたためケア”が合いやすいです。
● 片頭痛(ズキズキ・光がまぶしい系)
→ 冷やす方が楽になることが多い 血管が拡張しているタイプの頭痛なので、冷やすことで落ち着きやすくなります。
このように、市販の温冷シップではなくても「温める・冷やす」の考え方は役立ちます。
市販の温冷シップはどう使うのが正解?
体感を利用して
- 冷感:炎症系の不安があるときの“冷たい感じ”を補佐に
- 温感:肩こりや緊張系の“温かさの安心感”に
深部に作用するのは医療用湿布の薬剤なので、 温冷シップは「気持ちよさ」「安心感」として使うのがちょうど良いです。
よくある質問
Q. 市販の湿布でも炎症は治まりますか?
A. 体感によるスースー・ポカポカで炎症が治まるわけではありません。炎症を治すのは医療用湿布の抗炎症成分(NSAIDs)や、適切な冷却です。
Q. 温感シップで深部まで温まっていますか?
A. 温まっているのは皮膚表面だけで、深部の筋肉はほとんど温まりません。
Q. 病院の湿布はなんで温冷が無いの?
A. 治療目的が「温冷刺激」ではなく「薬剤による炎症コントロール」だからです。
