
感情の涙には、ストレスに関わる物質が実際に含まれています。
涙を流すとスッキリするのは本当だった
「泣いたらちょっと楽になった」 そんな経験はありませんか? 大人になると、つい涙をガマンしてしまいがちですが、感情の涙にはストレスホルモンが含まれていることが分かっています。
感情の涙にはストレス物質が含まれる
涙には大きく分けて3種類あります。
- 目を潤すための「基礎分泌の涙」
- ゴミや刺激から守る「反射の涙」
- 悲しみ・悔しさ・うれしさなどで出る「感情の涙」
このうち「感情の涙」には、ストレスに関わるホルモンや物質が多く含まれているとされています。 泣くことでそれらが体の外へ排出され、自律神経も少しずつ落ち着いていくと考えられています。
涙と自律神経の関係
強いストレスが続くと、交感神経(緊張モード)が高ぶったままになり、
- 頭痛・めまい
- 動悸や息苦しさ
- 眠れない・眠りが浅い
といった不調が出やすくなります。 涙を流すことで、副交感神経(リラックス)が優位になり、心と体のブレーキが働きやすくなります。
なかなか涙が出ないときは、少し安心できる環境で深呼吸をしたり、自律神経のセルフケアから整えていくのも一つの方法です。
泣いてもいい場所を持つこと
「こんなことで泣いてはいけない」と思い込んでいると、感情が体の中にたまりやすくなります。 それが長く続くと、肩こりや頭痛など、別の形でサインとして現れることもあります。
一人になれる時間や、安心して話をできる人、リラックスして受けられるケア… 「泣いても大丈夫な場所」を持っておくことは、心の健康にとってとても大切です。
涙と頭痛のつながり
たくさん泣いたあと、一時的に頭が重くなる方もいます。 これは、首や肩の筋肉がこわばったり、呼吸が浅くなったりすることで起こることが多いです。
そんなときは、
こめかみをやさしく押さえながら、ゆっくり深呼吸する

こめかみを軽く押さえながら、鼻からゆっくり息を吸って口から吐きます。 「痛みを押さえつける」のではなく、頭の緊張を外へ流していくイメージで呼吸してみてください。
首の後ろを温めて、筋肉の緊張をゆるめる

タオルを少しだけ温かい状態にして、首の後ろ〜肩のつけ根にそっと当てます。 温度は「気持ちいい」と感じる程度にして、じんわり血流を促してあげましょう。
明かりを少し落とし、目を閉じて安静にする

強い光は脳を興奮させやすく、涙のあとに出る頭痛を長引かせることがあります。 明かりを少し暗くして目を閉じ、静かな音の中で数分だけでも横になってみてください。
など、体を休める時間も少しだけ作ってあげてくださいね。
よくある質問
Q. 泣きたい気持ちをガマンしていると、体に悪いですか?
A. ガマンそのものが悪いわけではありませんが、長く続くと頭痛や肩こり、めまいなど別の不調として出てくることがあります。涙が出そうなときは、安心できる場面ではそっと流してあげることも、心と体のケアの一つだと考えてみてください。
