目が疲れると頭が痛くなるのはなぜ?

目の疲れで頭痛が起きる理由:毛様体筋と三叉神経の関連性

「目を使った日は、こめかみや後頭部が重い」「目の奥がジーンとして頭まで痛い」。こうした頭痛は、目の疲労だけでなく、首から後頭部の筋緊張呼吸の浅さ脳の視覚処理負荷が複合的に作用して起きることがあります。

この記事のポイント: 目の疲れによる頭痛は、毛様体筋の過緊張、三叉神経を介した関連痛、首・後頭部の筋肉の緊張が連動して起こります。目だけでなく、首・呼吸・姿勢を整えることが改善の鍵です。

目の疲れが頭痛を引き起こす3つのメカニズム

① 毛様体筋の過緊張と三叉神経
近くを見続けると、目のピント調節を担う毛様体筋(眼球内の筋肉)が緊張し続けます。この筋肉の緊張情報は三叉神経(第V脳神経)を通じて脳に伝わり、同じ神経経路で頭部の感覚も処理されるため、「目の奥の痛み」や「こめかみの重さ」として認識されることがあります。
② 視線固定による首・後頭部の筋緊張
画面作業や細かい作業では、視線を一点に固定するために、前庭眼反射により首の深層筋(後頭下筋群、頭板状筋)が微調整を続けます。この状態が長時間続くと、筋肉が緊張性収縮を起こし、後頭部から首の付け根にかけて「締め付け感」や「重さ」が生じます。
③ 脳の視覚処理負荷と脳血流
複雑な視覚情報(小さな文字、動く画面など)を処理する際、脳の後頭葉(視覚野)が活発に働きます。長時間の視覚作業により脳が疲労すると、脳血流の調整が乱れ、頭全体の重さや鈍い痛みとして現れることがあります。

「目の疲れ+首の緊張+浅い呼吸」の連鎖

目の疲れによる頭痛は、以下のような連鎖で進行します:

  • 長時間の近見作業 → 毛様体筋の過緊張
  • 視線固定 → 首の深層筋(後頭下筋群)の微調整が続く
  • 集中による交感神経優位 → 呼吸が浅くなる
  • 首・肩の筋緊張 → 頭部への血流低下
  • 三叉神経への刺激 → 目の奥・こめかみ・後頭部の痛み

このため、目だけでなく、首・呼吸・姿勢を一体として整えることが、根本的な改善につながります。

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「目の疲れからくる頭痛」の特徴

  • 画面作業や読書の後に、夕方〜夜にかけて頭が重くなる
  • 目の奥、こめかみ、後頭部に鈍い痛みや締め付け感がある
  • 首の付け根や肩を触ると、硬さや張りを感じる
  • 深呼吸をすると、一時的に楽になることがある
  • 目を休めると、頭痛も軽減することが多い

注意:ズキズキとした拍動性の痛み、吐き気、光や音への過敏などが強い場合は、片頭痛の可能性があります。また、突然の激しい頭痛や、意識障害を伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。

セルフケア

目・首・呼吸を整える3ステップ(1〜2分)

強く押さず、温め・ゆるめ・呼吸で切り替えます。

目の周りをぬるく温めて毛様体筋をリラックス

目の周りをぬるく温めて緊張をほどくイラスト|女性専門 頭痛整体 Heart+小田原院
温めることで、目の筋肉の緊張がゆるみます

【方法】
蒸しタオルまたはホットアイマスクを、まぶたの上に30秒〜1分乗せます。熱すぎない、心地よい温度(40℃前後)が目安です。

【ポイント】
温めることで、毛様体筋の血流が改善し、緊張がゆるみやすくなります。また、目の周りの温感受容器が刺激されると、副交感神経が優位になり、全身のリラックスにもつながります。タオルは電子レンジで30秒ほど温めるだけで簡単に作れます。

肩の力を抜いて吐く息を長くする

肩の力をストンと落として呼吸の準備をするイラスト|女性専門 頭痛整体 Heart+小田原院
呼吸で首肩の緊張をリセットします

【方法】
まず、肩をすくめるように上げてから、力を抜いてストンと落とす動作を3回繰り返します。その後、鼻から4秒吸い、口または鼻から6〜8秒かけて細く長く吐く呼吸を3〜6回行います。

【ポイント】
肩をすくめて落とす動作で、僧帽筋や肩甲挙筋の緊張をリセットします。吐く息を長くすることで副交感神経が優位になり、首・肩の筋肉がゆるみ、頭部への血流も改善しやすくなります。息を吐くときに、首や肩の力が抜けていくイメージを持つと効果的です。

視線を遠くに向けて毛様体筋を休める

短いミニ休憩で目と頭を休めるイラスト|女性専門 頭痛整体 Heart+小田原院
遠くを見ることで、目の緊張が解放されます

【方法】
画面から目を離し、窓の外や部屋の奥など、5m以上離れた場所20〜30秒ぼんやりと眺めます。首を動かさず、姿勢をふっとゆるめるだけでOKです。

【ポイント】
遠くを見ることで毛様体筋が弛緩し、近見作業による緊張が解放されます。これは「20-20-20ルール」(20分作業したら、20秒間、20フィート=約6m先を見る)としても知られる眼精疲労予防法です。視線を遠くに向けることで、首の緊張も自然とゆるみます。

セルフケアの頻度とタイミング
デスクワークや読書など、近見作業を1〜2時間続けるごとに1セット(合計2〜3分)行うのが理想的です。特に、目の奥に疲れを感じたとき、または頭が重くなり始めたときに実践すると効果的です。

当院での施術アプローチ

当院では、「目の疲れ」を目だけの問題として扱いません。目を酷使している日は、首から後頭部の筋緊張肩甲帯の可動性低下呼吸の浅さが連動して起こりやすいため、これらを総合的に評価します。

施術では、後頭下筋群や頸椎深層筋への筋膜リリース、肩甲帯の可動域改善、胸郭の柔軟性向上、呼吸パターンの修正などを行い、負担が戻りにくい体へと導きます。目の疲れと頭痛が連動しやすい方ほど、全体の緊張パターンをリセットすることが重要です。

関連ページ:
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「目が疲れると頭が重い」「首の付け根が固まる」など、複数の症状が混ざっている方は、今の体の状態に合わせて整え方を組み立てます。まずは今日ご紹介した3ステップを、作業の合間に試してみてください。

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このシリーズでは、目の疲れが全身に与える影響を、医学的根拠に基づいて解説しています。首・神経・ホルモン・自律神経まで、目と体のつながりを理解できる構成です。

※シリーズは「全部読む」前提ではありません。
今の不調に近いタイトルから読むと、理解が早く、実践にもつながりやすくなります。

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