頭痛が出やすい人ほど呼吸が浅い理由|横隔膜機能低下と交感神経優位のメカニズム

「なんだか息が浅い気がする」「深呼吸しようとしても胸が広がらない」——こうした感覚が続いていませんか?

実は、頭痛が出やすい人ほど呼吸が浅い傾向があります。呼吸が浅くなると、首・肩の筋肉が緊張しやすくなり、自律神経のバランスが乱れて頭痛が起きやすくなるのです。

この記事では、呼吸が浅い 頭痛の関係を解説し、自律神経を整える呼吸法3選をご紹介します。


なぜ呼吸が浅いと頭痛が起きやすいのか

呼吸が浅い状態(浅呼吸)では、本来使われるべき横隔膜の動きが制限され、代わりに首・肩の筋肉(補助呼吸筋)が過剰に働きます。この状態が続くと、以下のような連鎖が起こります。

  • 首・肩の筋肉が常に緊張 → 後頭部〜こめかみの締めつけ感
  • 胸郭(肋骨まわり)が固まる → 深く息が吸えない
  • 交感神経が優位になる → 血管が収縮し、脳への血流が低下
  • 酸素不足 → 頭の重さ、集中力低下、倦怠感

つまり、呼吸が浅い→首肩の緊張→自律神経の乱れ→頭痛という流れが起こりやすくなるのです。

自律神経と呼吸の関係については、こちらの解説ページも参考になります。


横隔膜呼吸と胸式呼吸の違い

正常な呼吸では、横隔膜(お腹と胸を隔てるドーム状の筋肉)が主に働き、お腹が膨らむように息を吸います。これを横隔膜呼吸(腹式呼吸)といいます。

一方、呼吸が浅くなると、横隔膜の動きが制限され、胸式呼吸(肋骨を持ち上げる呼吸)が主になります。胸式呼吸では、首・肩の筋肉(斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋上部)が常に働くため、緊張が抜けにくくなります。

横隔膜呼吸と胸式呼吸の特徴

  • 横隔膜呼吸(腹式呼吸):お腹が膨らむ。副交感神経を優位にし、リラックスを促す
  • 胸式呼吸:胸・肩が上がる。交感神経を優位にし、緊張状態が続く

横隔膜呼吸の改善方法については、鹿野クリニックの横隔膜ほぐし解説も参考になります。


呼吸が浅くなる主な原因

呼吸が浅くなる原因は、姿勢・ストレス・生活習慣など複数の要因が絡み合っています。

  • 姿勢の悪化:猫背や前かがみ姿勢により胸郭が圧迫され、横隔膜が下がりにくくなる
  • 慢性的なストレス:緊張が続くと交感神経が優位になり、呼吸が浅く速くなる
  • 長時間のデスクワーク・スマホ:同一姿勢により胸郭の可動性が低下する
  • 運動不足:横隔膜や肋間筋の筋力が低下し、深い呼吸がしにくくなる
  • 不安・緊張:心理的要因により呼吸が浅く不規則になる

呼吸が浅い日に起きやすい症状

以下のような症状が続いている場合、呼吸が浅くなっている可能性があります。

  • 首・肩に常に力が入っている感じがする
  • 深呼吸しようとしても胸が広がらない
  • 無意識にため息が増える
  • 目の奥やこめかみが重い
  • 夕方になると頭が締めつけられる感じがする
  • 倦怠感や集中力の低下が続く

これらは「疲れ」ではなく、呼吸が浅いことで自律神経が乱れている状態を示していることがあります。


自律神経を整える呼吸法3選

呼吸が浅い状態を改善するには、「頑張って深呼吸する」のではなく、「首肩の力を抜いてから、吐く息を長くする」ことがポイントです。以下の3つのセルフケアは、合計5〜10分でできます。

① 肩のすくめ・落としで補助呼吸筋をリリース(3回)

両肩を耳に近づけるように3秒すくめ、一気にストンと落とします。これを3回繰り返します。

肩の力をストンと落として深呼吸の準備をするセルフケア
補助呼吸筋の緊張をリセットします

ポイント:肩をすくめることで首・肩の筋肉を意図的に収縮させ、その後一気に脱力することで筋肉がゆるみます(収縮後弛緩法)。これにより胸郭と首の緊張が解放され、横隔膜が動きやすくなります。

② 吐く息を長くする呼吸(×6回)

鼻から4秒かけて吸い(お腹が膨らむのを意識)、口をすぼめて6〜8秒かけて細く長く吐きます。これを6回繰り返します。

鼻で吸って細く長く吐く呼吸法
副交感神経が優位になり、リラックスします

ポイント:吐く息を長くすることで迷走神経が刺激され、副交感神経が優位になります。これにより心拍数が低下し、血管が拡張し、筋肉の緊張がゆるみます。吸う:吐くの比率は1:1.5〜2が理想的です。

③ 胸とお腹の確認呼吸(1〜2分)

片手を胸に、もう片手をお腹に当てます。息を吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹が凹むのを確認します。胸はできるだけ動かさず、お腹の動きに集中します。

胸とお腹に手を当てて呼吸を確認するセルフケア
胸郭の可動性を回復させます

ポイント:手で触ることで、横隔膜が正しく動いているか(お腹が膨らんでいるか)を確認できます。無理に大きく吸おうとすると、かえって補助呼吸筋が緊張するため、自然なリズムでゆっくり呼吸することが大切です。

頭痛に効く呼吸法については、大正製薬の頭痛対処法ページも参考になります。


呼吸法の実施タイミングと頻度

おすすめの実施タイミング

  • 朝:起床後、①→②→③の順で実施(合計5〜10分)
  • 日中:デスクワークの合間、2〜3時間ごとに②のみ実施(1〜2分)
  • 夜:就寝前、①→②→③の順で実施(副交感神経を優位にして入眠を促進)

毎日続けることで、横隔膜の筋力が回復し、自然と深い呼吸ができるようになります。


当院での呼吸と頭痛の整え方

当院では、呼吸が浅い方に対して、胸郭の可動性横隔膜の機能補助呼吸筋の緊張姿勢パターンを総合的に評価します。

具体的には、以下のような施術を行います。

  • 肋骨のモビライゼーション:胸郭の動きを改善し、呼吸が入りやすい状態を作る
  • 横隔膜のリリース:横隔膜の緊張をゆるめ、腹式呼吸がしやすい状態に
  • 頸部・肩甲帯の筋膜リリース:補助呼吸筋の過緊張をゆるめる
  • 自律神経調整:副交感神経が優位になりやすい状態を作る

施術は筋膜リリースを中心に、痛みの少ないやさしい手技で行います。呼吸パターンが変わると、首肩の慢性的な力みが抜け、頭痛の頻度と強度が軽減されることが多くあります。


まとめ|呼吸が変わると、頭痛の出方が変わる

頭痛が出やすい人ほど呼吸が浅い傾向があります。呼吸が浅いと、首・肩の筋肉が緊張し、自律神経のバランスが乱れて頭痛が起きやすくなります。

改善のポイントは、「頑張って深呼吸する」のではなく、「首肩の力を抜いてから、吐く息を長くする」こと。今日ご紹介した3つの呼吸法を、まずは1週間続けてみてください。

セルフケアだけでは改善しにくい場合は、胸郭や横隔膜の動きを整える施術が役立ちます。呼吸が変わると、体全体が変わります。


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頭痛が出やすい人ほど呼吸が浅い理由:横隔膜機能低下と交感神経優位

呼吸が浅い状態(浅呼吸)では、横隔膜の可動性が低下し、胸郭が固定され、首・肩の補助呼吸筋が過緊張します。この状態は交感神経を優位にし、脳への酸素供給を低下させ、筋緊張性頭痛を引き起こします。

この記事のポイント: 呼吸が浅いと、横隔膜呼吸(腹式呼吸)から胸式呼吸へ移行し、補助呼吸筋(斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋上部)が過緊張します。これにより交感神経が優位になり、血管収縮、脳血流低下、頭痛が起こりやすくなります。

呼吸が浅いとは:生理学的な定義

正常な呼吸では、横隔膜(主呼吸筋)が主に働き、1回換気量は約500mlです。浅呼吸では、横隔膜の動きが制限され、1回換気量が300ml以下に減少し、代わりに胸式呼吸(肋間筋と補助呼吸筋を使った呼吸)が主となります。

横隔膜呼吸と胸式呼吸の違い
  • 横隔膜呼吸(腹式呼吸):横隔膜が収縮して下降し、腹腔内圧が上昇。肺が下方に拡張し、効率的に酸素を取り込む。副交感神経を優位にする
  • 胸式呼吸:外肋間筋と補助呼吸筋(斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋上部)が主に働き、肋骨を挙上。酸素効率が低く、首・肩が緊張する。交感神経を優位にする

浅呼吸が頭痛を引き起こすメカニズム

① 補助呼吸筋の過緊張と筋緊張性頭痛
浅呼吸では、本来は補助的にしか使われない斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋上部が常時緊張します。これらの筋肉は頸椎・後頭骨に付着しているため、過緊張により頸部〜後頭部に筋緊張性の痛み(締めつけられるような頭痛)が発生します。また、後頭下筋群も連動して緊張し、後頭部の重だるさが出現します。
② 交感神経優位による血管収縮
胸式呼吸は交感神経を刺激し、「闘争・逃走反応」状態を作ります。この状態では、アドレナリンとノルアドレナリンが分泌され、末梢血管が収縮します。脳血管も収縮し、脳への血流が低下することで、頭痛、集中力低下、倦怠感が起こります。一方、横隔膜呼吸は迷走神経を刺激し、副交感神経を優位にして血管を拡張させます。
③ 二酸化炭素の蓄積と脳血流の低下
浅く速い呼吸(1分間に20回以上)が続くと、換気が不十分になり、血中の二酸化炭素(CO₂)が蓄積します(高炭酸ガス血症の軽度状態)。CO₂が上昇すると、呼吸中枢が刺激され、さらに呼吸が浅く速くなる悪循環が生じます。また、CO₂濃度の変化は脳血管の拡張・収縮に影響し、頭痛を引き起こすことがあります。

呼吸が浅くなる主な原因

  • 姿勢の悪化:猫背、前かがみ姿勢により胸郭が圧迫され、横隔膜の下降が制限される
  • ストレス:慢性的なストレスにより交感神経が優位になり、呼吸が浅く速くなる
  • 運動不足:横隔膜や肋間筋の筋力低下により、深い呼吸ができなくなる
  • 長時間のデスクワーク:同一姿勢により胸郭の可動性が低下する
  • 不安・緊張:心理的要因により呼吸が浅く不規則になる

呼吸が浅い日に起きやすい症状

  • 首・肩の持続的な緊張:補助呼吸筋の過緊張により、常に力が入った状態
  • 胸が広がらない感じ:胸郭の可動性低下により、深く息が吸えない
  • ため息が増える:体が無意識に深呼吸を求めているサイン
  • 目の奥・こめかみの重さ:脳血流低下による虚血性の痛み
  • 倦怠感・集中力低下:酸素不足による脳機能の低下

関連:自律神経と頭痛緊張型頭痛自律神経のセルフケア頭痛(総合)

セルフケア

横隔膜呼吸の回復と胸郭モビライゼーション

吐く息を長くして副交感神経を優位にし、胸と首の力みをほどきます。

肩のすくめ・落としで補助呼吸筋をリリース

肩の力をストンと落として深呼吸の準備をするイラスト|女性専門 頭痛整体 Heart+小田原院
補助呼吸筋の緊張をリセットします

【方法】
両肩を耳に近づけるように3秒すくめ、一気にストンと落とします。これを3回繰り返します。

【ポイント】
肩をすくめることで僧帽筋上部、肩甲挙筋、斜角筋を意図的に収縮させ、その後一気に脱力することで筋肉がゆるみます(収縮後弛緩法)。胸郭と首の緊張が解放され、横隔膜が動きやすくなります。

横隔膜呼吸:吐く息を長くする(×6回)

鼻で吸って細く長く吐く呼吸のイラスト|女性専門 頭痛整体 Heart+小田原院
副交感神経が優位になり、リラックスします

【方法】
鼻から4秒かけて吸い(お腹が膨らむのを意識)、口をすぼめて6〜8秒かけて細く長く吐きます。これを6回繰り返します。

【ポイント】
吐く息を長くすることで迷走神経が刺激され、副交感神経が優位になります。これにより心拍数が低下し、血管が拡張し、筋肉の緊張がゆるみます。お腹が膨らむように吸うことで、横隔膜が下降し、胸式呼吸から横隔膜呼吸へ移行します。吸う:吐くの比率は1:1.5〜2が理想的です。

胸とお腹の力みを確認しながらゆるめる

呼吸で胸とお腹の力みをほどくイラスト|女性専門 頭痛整体 Heart+小田原院
胸郭の可動性を回復させます

【方法】
片手を胸に、もう片手をお腹に当てます。息を吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹が凹むのを確認します。胸はできるだけ動かさず、お腹の動きに集中します。1〜2分続けます。

【ポイント】
手で触ることで、横隔膜が正しく動いているか(お腹が膨らんでいるか)を確認できます。胸式呼吸では胸が大きく動きますが、横隔膜呼吸ではお腹が動きます。頑張って深呼吸する必要はなく、自然なリズムでゆっくり呼吸することが大切です。無理に大きく吸おうとすると、かえって補助呼吸筋が緊張します。

実施のタイミングと頻度
朝:起床後、①→②→③の順で実施(合計5〜10分)
日中:デスクワークの合間、2〜3時間ごとに②のみ実施(1〜2分)
夜:就寝前、①→②→③の順で実施(副交感神経を優位にして入眠を促進)

毎日続けることで、横隔膜の筋力が回復し、自然と深い呼吸ができるようになります。

当院での施術アプローチ

当院では、呼吸が浅い方に対して、胸郭の可動性横隔膜の機能補助呼吸筋の緊張姿勢パターンを総合的に評価します。

施術では、肋骨のモビライゼーション、横隔膜のリリース、頸部・肩甲帯の筋膜リリース、胸椎の調整などを行い、「呼吸が入りやすい体」「横隔膜が動きやすい状態」へと導きます。呼吸パターンが変わると、首肩の慢性的な力みが抜け、頭痛の頻度と強度が大幅に軽減されます。

関連ページ:
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呼吸が変わると、体全体が変わります。今日ご紹介した3ステップを、まずは1週間続けてみてください。

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