肩がパンパンの日の頭痛は“連動”

肩こりと頭痛が同時に出る理由:筋膜と神経の連動メカニズム

肩がパンパンに張っている日に、頭痛も一緒に出ることはありませんか?肩を揉んでも、すぐにまた痛くなる。そんな日は、肩だけでなく首・胸郭・呼吸まで固まり、体全体が緊張し続ける「連動パターン」に陥っている可能性があります。

この記事のポイント: 肩こりと頭痛の同時発症は、筋膜連鎖と頸神経の関連痛によるものです。肩・首・胸郭・呼吸を一体として整えることで、戻りにくい改善が期待できます。

肩こりと頭痛の「連動」が起きるメカニズム

肩こりと頭痛が同時に出るのは、単なる偶然ではありません。以下の3つのメカニズムが関わっています:

① 筋膜の連鎖(Myofascial Chain)
肩甲骨周りの筋肉(僧帽筋上部、肩甲挙筋)は、首の筋肉(頭板状筋、後頭下筋群)と筋膜でつながっています。肩が緊張すると、この連鎖により首の筋肉も引っ張られ、頭痛の原因となります。
② 頸神経の関連痛(Cervical Referred Pain)
肩の筋肉を支配する神経(C3〜C5)と、頭部の感覚を伝える神経(大後頭神経など)は同じ脊髄レベルで情報処理されます。そのため、肩の痛みが頭部に「関連痛」として現れることがあります。
③ 呼吸パターンの変化
肩が上がり胸郭が閉じると、呼吸が浅くなり、交感神経が優位になります。この状態では筋肉の緊張が持続しやすく、肩こりと頭痛の悪循環が生まれます。

肩だけ揉んでもすぐ戻る理由

肩こりの根本原因が、以下のような「体全体の使い方」にある場合、肩だけをマッサージしても一時的な効果にとどまります:

  • 首の過緊張:肩が上がると首が固まり、頭を支える負担が増える
  • 胸郭の可動性低下:胸が閉じると呼吸が浅くなり、肩の力みが抜けにくい
  • 呼吸の浅さ:交感神経優位の状態が続き、筋肉が常に緊張状態になる
  • 姿勢の固定:同じ姿勢での長時間作業により、筋肉が特定のパターンで固まる

このため、効果的なケアには肩・首・胸郭・呼吸を一体として整えるアプローチが必要です。

関連:緊張型頭痛肩こり・首こりのセルフケア生活習慣と頭痛

こんな症状があれば「連動型」の肩こり頭痛の可能性

  • 肩こりと頭痛が同時に、またはセットで出ることが多い
  • 肩を揉んでもらっても、翌日にはまた張っている
  • デスクワークや家事の後に、肩と頭が同時に重くなる
  • 呼吸が浅い、または無意識に息を止めていることが多い
  • 肩が常に上がっている、または猫背になりやすい
セルフケア

肩こり頭痛の連動をほどく3ステップ

肩甲帯・胸郭・呼吸を一緒に整えることで、戻りにくい体に。

肩をゆっくり回して筋肉の緊張パターンをリセット

肩をゆっくり回して緊張をほどくイラスト|女性専門 頭痛整体 Heart+小田原院
大きく回すより、ゆるめる意識で

【方法】
立位または座位で、肩を前回し・後ろ回し各5〜10回行います。痛みが出ない範囲で、できるだけゆっくりと動かします。

【ポイント】
肩甲骨を意識して動かすことで、僧帽筋や肩甲挙筋の緊張をほどきます。大きく回すことより、筋肉を「ゆるめる」意識が重要です。呼吸を止めずに、自然に息を吐きながら行いましょう。

鎖骨下を流して胸郭の可動性を回復させる

鎖骨まわりをやさしく流して呼吸を通すイラスト|女性専門 頭痛整体 Heart+小田原院
胸が開くと、呼吸が深くなります

【方法】
指の腹を使って、鎖骨の下(小胸筋のある部分)を内側から外側へやさしく流します。左右それぞれ10回繰り返します。

【ポイント】
小胸筋が硬くなると胸郭が閉じて呼吸が浅くなり、肩こりと頭痛の連動が強まります。この部分をほぐすことで胸が開き、深い呼吸がしやすくなります。強く押しすぎず、やさしく流すイメージで行いましょう。

吐く息を長くして副交感神経を優位にする

吐く息を長くしてリラックスする呼吸のイラスト|女性専門 頭痛整体 Heart+小田原院
呼吸が深くなると、肩が自然に下がります

【方法】
鼻から4秒かけて息を吸い、口をすぼめて6〜8秒かけて細く長く吐きます。この呼吸を6回繰り返します。

【ポイント】
吐く息を長くすることで副交感神経が優位になり、筋肉の緊張が自然とゆるみます。肩こりと頭痛の連動が起きているときは、交感神経が高まっているため、呼吸で自律神経のバランスを整えることが効果的です。

セルフケアの頻度とタイミング
デスクワークや家事の合間、1〜2時間ごとに1セット(合計2〜3分)行うのが理想的です。特に、肩が張ってきたと感じたとき、または頭が重くなり始めたときに実践すると効果的です。

当院での施術アプローチ

当院では、肩こりと頭痛が連動している方に対して、肩甲帯の可動性首の付け根の緊張胸郭の柔軟性を総合的に評価します。

施術では、筋膜リリース、関節モビライゼーション、呼吸エクササイズを組み合わせ、「呼吸が深くできる体」「頭痛が出にくい体」へと導きます。肩と頭痛がセットで出やすい方ほど、全体の連動をほどく設計が重要です。

関連ページ:
頭痛(総合)緊張型頭痛自律神経と頭痛肩こり・首こりのセルフケアご予約・お問い合わせ

肩こりと頭痛がセットで出る方は、肩だけでなく「全体の連動」を整えることが改善の鍵です。まずは今日ご紹介した3ステップを、仕事や家事の合間に試してみてください。

「ストレス × 自律神経 × 頭痛」シリーズをまとめて読む

日曜シリーズでは、緊張・力み・生活リズムの乱れが頭痛や不調にどうつながるのかを、医学的根拠に基づいて解説しています。

「原因がはっきりしない」「検査では異常がない」そんな頭痛ほど、体の使い方・休ませ方がヒントになることがあります。

※シリーズは「全部読む」前提ではありません。
今の症状に近いテーマから読むと、理解が深まり実践にもつながりやすくなります。

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